こどもの矯正のメリット
抜歯の可能性が低くなる
顎の成長が終わってから矯正治療をすると抜歯をしないといけないことがありますが、あごの骨が大きくなる子供のときに矯正治療をはじめることで、将来的に抜歯が必要となる可能性が低くなります。
虫歯・歯肉炎になりにくい
歯並びが良くなると、歯ブラシがうまく歯にとどくようになり、きれいに歯みがきができるようになり、虫歯・歯周病を予防することができます。
整った顔立ちに
こどもは背が伸びるのと同じように、あごの骨も大きくなります。この時期に、矯正治療を行うことにより、より良いあごの成長を促すことができます。
正しい発音
舌の癖を治したり、お口の周りの筋肉の動きがスムーズになることによって、正しい発音になります。
うまく咀嚼できる
噛み合わせが良くなると、食べ物をすりつぶすことがより簡単にできるようになります。
コンプレックスをなくせる
歯並びが良くなると、口元を気にして笑うことがなくなり、自分の笑顔に自信が持てるようになります。
矯正の開始時期
矯正相談の時期
成長の度合いやお口の状況は、ひとりひとり違いますので、一概にはいえませんが、上下の前歯2~4本が生えそろう頃(※)を目安に一度ご来院ください。
検査を行い、お子さまの成長に合わせた、より良いタイミングをお知らせします。
実際に、歯科矯正の本場アメリカ矯正歯科学会、日本矯正歯科学会では7~9歳に一度矯正専門医に相談することをすすめております。
※反対咬合や顔貌が左右非対称な場合などもう少し早い時期に治療を行ったほうが良い場合もあります。
矯正治療の開始が遅くなり思春期成長期にさしかかると、成長発育のコントロールが難しくなるため、抜歯や外科矯正の確率が上がるなど、難しい症例へと変化する場合がありますので、歯並びが気になりだしたら早めに相談ください。
永久歯への生えかわりと矯正治療の時期
お子様の歯列矯正は
・Ⅰ期治療 (乳歯と永久歯が混在している時期の治療)
・Ⅱ期治療 (永久歯に生えかわってからの治療)
の二段階に分かれています。それぞれの段階によって、治療の仕方は変わってきます。
I期治療・II期治療について
I期治療
上下前歯2~4本が生えそろう頃に歯並びに問題がある場合、まずは第一段階目の治療を行います。
この時期の治療は細かな歯並びを良くするというよりは、永久歯への交換をスムーズに誘導するために、あごの骨を広げたりすることです。
将来生えそろう永久歯が良い歯並び・噛み合わせになるようなお口の環境をつくる土台づくりの治療です。
1~2年の治療の後、永久歯へのはえかわりや成長の様子を経過観察し、永久歯に生えかわった頃にII期治療へと移行します。
II期治療
乳歯がすべて永久歯に生えかわった頃に、第二段階の治療を開始します。この時期の治療は、永久歯がしっかりとかみ合うことを目標にします。
I期治療で土台づくりが十分にできていると、抜歯の確率を下げることができます。
I期治療を終えて、永久歯の歯並びに問題がない場合はII期治療が必要でない場合もあります。
初診時にすでに永久歯が生えそろっている場合は、はじめからII期治療となります。
I期治療のメリット
歯を抜く可能性を低くします。
あごの骨が柔らかいこどものうちに、あごの骨を広げたり、大人の歯への生えかわりの時にできる隙間を有効に使えますので、かなりの確率でII期治療の時に歯を抜かずに治療ができるようになります。
アゴの骨の成長をコントロールできる。
上下の歯は、上のあごの骨と下のあごの骨の上にそれぞれ生えています。上と下のあごの骨がずれていれば、かみ合わせが悪くなります。あごの骨が柔らかいこどもの時期であれば、あごのずれを改善したり、良いあごの成長を促したりして、上あごと下あごの良い関係をつくることができます。
顎関節症の予防になる。
不適切なかみ合わせにより、あごを横や前にずらして食事をするような状態は、左右どちらか一方のあごの関節(顎関節)や歯に負担をかけます。こどものうちは、顎関節がまだ完全にできあがっておらず、明らかな症状や変化はありませんが、このような状態が長く続くと、あごが曲がって成長したり、顎関節症の原因になることがあります。
多くの場合、歯を適正な位置にすることで、あごの関節への負担は改善されます。
治療期間について
I期治療
軽度の叢生、空隙歯列などでは数ヶ月で終わる場合もあります。舌の癖を治すものや、骨格的要因の強い場合はさらに期間が必要となることがあります。
II期治療
早い場合では1年、時間がかかる場合では2年ほどの治療期間となります。I期治療を行っておりますと、II期治療の治療期間は短くなります。
保定
矯正治療後に、歯並び・噛み合わせが後戻りしないようにすることを保定といいます。
I期治療の後は犬歯が萌出するころまで保定を行うことがあります。
II期治療後は2年間ほど保定を行います。
歯並びをチェック
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反対咬合 (受け口)
上下の歯の一部が互い違いになっている歯並びです。ものを噛みにくく、あごの関節への負担が大きいです。
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上顎前突 (出っ歯)
上の前歯が大きく前に飛び出している歯並びです。歯の生え方やあごに問題があります。
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叢生 (乱ぐい歯・八重歯)
でこぼこに生えている歯並びです。歯が重なり合ったところは歯ブラシが届きにくいので、虫歯になりやすいです。
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開咬
奥歯をかみ合わせても、前歯がかみ合わない歯並びです。口のなかが乾燥して虫歯や歯周病のリスクが高いので、注意が必要です。
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交叉咬合
上下の歯の一部が互い違いになっている歯並びです。ものを噛みにくく、あごの関節への負担が大きいです。